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July 09, 2021

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JCMA女性委員会コラムVo.3:今だからこその合縁奇縁~😈~

順番につきコラム投稿が私にもまわってきた・・困ったぞ。COVID19感染症の流行や対策の為、時差出勤や一時帰休で浮上した自分時間について・・思いついたことは、具合の悪い義理のおばとの日々だった。

一月下旬の夕方に従弟から、おじが今朝自動車事故で入院したと連絡を受けた。従弟は一人息子、隣県在住で家庭がある。地元に住まいいたす私はこれまでにも時々おじ夫婦の家に立寄っていた。

「こちらは、主人の姪です。」と、丁寧に私を紹介してくださる。

「本日はわたくしのために集まってくださったの。わたくしのために大勢集まって頂いてお姫様みたいね、ハハハハ・・・・。  どうぞお始めください。」~?マスクの中で失笑。

本人と、ケアマネージャー、訪問看護師、訪問リハビリ指導の理学療法士、訪問介護士、当人の長男(従弟)、と私の計7人が集合し、義理のおばの生活の仕方について話し合う。

「なにか聞こえない、聞こえませんがわたくしは聞こえなくてもいいの?」

「あとでまとめて話すから今は待って。」と従弟から諭されて、黙。

入院してしまったおじも健在な頃、見かねて「いいから、やめろ。」と言ったほど繰り返し同じ話しをする。

お姫様と称した本人が、80年以上前に通った幼稚園~高校、銀行や船舶会社で仕事をしていた頃のことや、箱根のお寺にある実家のお墓参りに行ったことなど。それが『いつ』何年前くらいのことか、本人は認識してないかもしれないが、喋ることにより食道周辺の筋力が鍛えられ誤嚥防止にはなるだろうと考えながら、私は毎度相槌をうった。

従弟は「グルグル話しに付合ってもらってありがとうございます。」と。

これまでにJCMAやお稽古事でご一緒した方々の、詳細についても逸らさない・疎かにしない姿勢のお見本が、まさかこんな時にも生かせるとは。

「今日は何曜日?」

「今日は月曜日です。」

「月曜日、わたくし月・水・金は病院なの。」

元気にタクシーで放浪しちゃったり、意気消沈してしまうことも認知症のなせるワザ。もともとは人工透析が起因しているのか。

一般的な認知症診断テストは高得点。従弟いわく「15年前に戻ったようだった」が、医師からは、とくに時間に対して見当識障害があきらかなため認知症の診断。それでも二本脚歩行が可能なため、要介護1。見当識障害については本人もわかっているのか、頻繁に新聞の日付や時計をみて確認していた。従弟が日付・曜日・時間の表示される電波時計や、テレビ電話を購入。この歳で新しいものを渡されてもオイソレと慣れるわけもないか・・とおもいきや、テレビ電話の向こうの息子には手を振るし、電波時計を指さしたりもする。

ときには、認知症は伝染するか・・と思うほど、こちらが滅入ってしまうこともあったが、何事あっても訪問した私に「来てくださって、ありがとう。」と言う。

認知症医療コーディネーターの方の「本人から“ありがとう”のことばが出ていれば、大丈夫。」かりに周囲に多種多様な意見があったとしても、その行動は上出来との教えには助けられた。 行為とは正解かどうかがとてもわかり難いことだ。

自分がもしそうなったとしたら“ありがとう”を言えるだろうか。相手にかみついているかもしれないな。

全く無関係にも思えるこんなことも、コンベンション業務にてご縁のあった方々の、学ぶべき姿や、意見に支えられてクリアできることが多くあった。そしてJCMAのコラム投稿にしては拙くて恐縮するが、義理のおばとの合縁奇縁の時間を書き残す機会に恵まれたことに感謝する。

つくば国際会議場 営業課 小倉奈津子

 

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