February 26, 2026
ダイバーシティー推進委員会:コラム Vol.5 ダイバーシティとインクルージョンについて
ダイバーシティは、特別なテーマではなく、私たちの働く日常の中にあるもの——。
日本コンベンション協会ダイバーシティ推進委員会のこのコラムでは、現場で見つけた小さな気づきや、会員のみなさまの声を通して、多様性についてともに考えていきます。
Vol.5はダイバーシティ推進委員長の西田さんです。
ダイバーシティとインクルージョンについて
生きていく上で一番大切な力は何かと考えたとき、私は「人に頼る力」なんじゃないかって思います。自分ひとりでできることは少ないし、できる必要もない。足りない部分があれば、誰かに助けてもらえばいいし、逆に自分にできることがあれば、得意技を差し出せばいい。頼ることをためらわず、頼られたときは自然に応じる。そんな関係があってこそ、人は安心して生きていけるのだと思っています。
私自身、これまでたくさんの場面で人に頼ってきました。子どもを育てていた頃は、仕事に行くときに家族を頼ったり、職場に連れていって社長や同僚に面倒を見てもらったりしました。
若いころの私は未熟(今も未熟かも)で、どうしても周りに助けてもらわないとやっていけなかった。でも、そのおかげで子どもたちは多くの人に囲まれ、やさしさや思いやりに触れながら育つことができたのだと思います。私ができなかった部分を、周囲の人が補ってくれた。あらためて、人に頼ることは弱さではなく、むしろ強さなのだと実感します。
信じるからこそ頼ることができる
頼る力を持っている人は、同時に人を信じている人です。信じるからこそ頼ることができる。そこには「この人ならきっと受けとめてくれる」という期待とリスペクトがあります。不思議なもので、Giveをすれば必ずどこかで別のGiveが返ってくる。人に頼ることは、決して一方的な消費ではなく、信頼とリスペクトの循環を生み出す行為なのだと考えています。
ダイバーシティというと、制度や数値で語られることが多いですが、結局は「リスペクトがあるかどうか」に尽きるのではないでしょうか。相手の考え方や生き方を尊重できるかどうか。その違いを面白がり、認め合えるかどうか。人はそれぞれ生きてきた分だけ経験を積み、それぞれの資産を持っています。その資産を交換し合い、時には補い合いながら、私たちは仕事をし、生きています。
仕事の現場も同じです。多様なプロフェッショナルが集まるからこそ厳しさが欠けては成立しない。でも、その厳しさの裏には「あなたならできるはずだ」という信頼がある。厳しさと優しさは相反するものではなく、同じ場所に存在しています。リスペクトのある環境では、人は安心して頼ることができ、その結果、より大きな成果を生み出すことができるのだと思います。

「特別な取り組み」ではなく「日常のあり方」
私は、ダイバーシティを「特別な取り組み」としてではなく、「日常のあり方」として捉えたいと思っています。人に頼り、頼られながら生きていくこと。それは決して恥ずかしいことではなく、むしろ人が持てる最強の力です。そして、その力が働くためにはリスペクトが欠かせません。互いを尊重し、違いを認め合うことで、人は本来の力を発揮できるのだと思っています。
みんながそれぞれの強みを持ち寄り、弱さを補い合いながら共に歩む。そうした循環が広がっていけば、生きることも働くことも、もっと豊かで幸せなものになるはずです。
JCMAダイバーシティ委員会 株式会社PCO 西田美樹