May 12, 2026
- ダイバーシティ推進委員会
ダイバーシティー推進委員会:コラム Vol.6 トイレとダイバーシティ
ダイバーシティは、特別なテーマではなく、私たちの働く日常の中にあるもの——。
日本コンベンション協会ダイバーシティ推進委員会のこのコラムでは、現場で見つけた小さな気づきや、会員のみなさまの声を通して、多様性についてともに考えていきます。
Vol.6はダイバーシティ推進委員長の 株式会社フジヤ 降幡さんです。
トイレの話、ちょっと聞いてくれますか?
私の実家、15年くらい前までは、男用と女用でトイレが分かれていましたが、今はその2つの空間を一つにして、ドーンと広い洋式トイレが設置されています。
今どき、男女別のトイレがある家って、どれくらいあるんでしょう?
昔ながらの和風の家とかすごく広い家ならありそうですけど、たぶん、私の実家みたいに、住人が高齢になって広いバリアフリーな洋式にリフォームしているケースが多いんじゃないかなって思います。住宅からは、男性用小便器は消えていくのか?
そういえば、昔、後楽園(今の東京ドーム)へ野球観戦とか海外アーティストのライブでよく行っていましたが、いつも男性トイレより女性トイレの方が少なくて、長蛇の列ができてたのを覚えてます。後楽園球場に限らず、昭和の会場はどこも、女性トイレの確保は後回しにされていたように思います。東京ドームになり、2011年の改装でかなり女性トイレの数が増えたということですが、やはり使うのにかかる時間が男女で違うせいか、野球のイニング間とかはまだ並んでいますよね。設備の数だけじゃなくて、利用効率が違うんだと感じます。
それと、もうじき改装が始まる上野の東京文化会館小ホールへピアノリサイタルについ最近行ってきました。その時も20分間の休憩時間、男性トイレはスイスイ進んでいるのに女性トイレは長蛇の列。並んでいるおばあちゃんが間に合うか気になってしまいました。きっと今回の大改装でこのような部分は、改善されるのでしょうね。
違和感から始まる多様性
そんな中、最近、東京ビッグサイトの東1ホール〜3ホールの改装が終わったら、「共有トイレ」(ジェンダーレス・トイレ)が登場しました。
正直なところ、一瞬「あれ?右左どっちに入ろう?」ってためらってしまったし、男性が出てきて入るのは、ちょっと違和感がありました。これから、こういう性別に関係なく共有するスペースや設備って、どんどん増えていくんでしょうか?
もしこれがダイバーシティの流れだとしたら、使う側の心理的なハードルとか、これまでの習慣とどう折り合いをつけていくのか、色々考えてしまいます。
ちなみに、釣り好きの私が行く港では、乗船前にトイレに行くと左側に男性用小便器、右に個室。たまに行くとおじさんが用を足しており、入るのを躊躇。でも出船時間も間近、背に腹はかえられないと突入。
これも「共有トイレ?」ジェンダーレスではないけど。
でも、勇気を振り絞って入った港のトイレでの経験も、東京ビッグサイトで見た新しい「共有トイレ」も、多様性を受け入れるための小さな一歩なのかもしれません。
この違和感が、いつか当たり前の「慣れ」に変わる日が来るのか。利便性や効率、そして心理的な安心感。
すべてを両立させる「みんなのトイレ」。

JCMAダイバーシティ委員会 株式会社フジヤ 降幡 恵